ドグラ・マグラ

2004年5月9日
・・・・。
あれ。なんか難解だとかとっつきにくいとか言うのでかなりびびりつつ読んでるんですが今のとこ全然そんなことない。
キチガイの話だというのは知ってたんですがどんなの?と思ってたらまんまそうじゃんかー!やられた(笑)

・途中経過・
三分の一読みました。夢野の長編にしてはすっごくすっごく読みやすいんですが。今迄長編でへこたれ気味だったのはなんだったの?という位すんなり読める。そして面白いッ!みんなわけ判らなくなって挫折するらしいですが今のトコそういう気配もなし。寧ろ今後の展開が楽しみでなりません。

それにしても熱が下がらん。ぐぅ。

竹内浩三について
多分、ご存知無い方が沢山いると思うので。
やたら陽気で頭が大きくて数学が得意で、喋るとどもり、芸術を愛し、足は大層遅かったそうです。また彼は詩を推敲なしで一発で書き上げたそうです。天性の詩人で芸術家だったのだと思います。軍隊に入ってから彼の友人に宛てて出した葉書の文句に「うたうたいは、うたうたえと、きみ云えど、口おもく、うたうたえず。うたうたいが、うたうたわざれば、死つるよりほか、すべなからんや。魚のごと、あぼあぼと、生きるこそ悲しけれ」というのがあって私はこの文句を諳んじてしまいました。
伊勢市に生まれて、日大専門部(現在の芸術学部)映画科に進み、1942年繰り上げ卒業より出征。45年フィリピンのルソン島のバギオにて戦死。
筑波の部隊に入営した時のことを書き綴った「筑波日記」はぜひとも読んでもらいです。こんな人がいたのか、と目から鱗ぽろぽろです。詩では「骨のうたう」の他に私は「日本がみえない」をオススメいたします。・・・勝手に載せちゃっていいんだろうか。

「日本がみえない 竹内浩三」
  この空気
  この音
  オレは日本に帰ってきた
  帰ってきた
  オレの日本に帰ってきた
  でも
  オレには日本が見えない

  空気がサクレツしてゐた
  軍靴がテントウしてゐた
  その時
  オレの目の前で大地がわれた
  まっ黒なオレの眼漿が空間に
  とびちった
  オレは光素(エーテル)を失って
  テントウした

  日本よ
  オレの国よ
  オレにはお前が見えない
  一体オレは本当に日本に帰ってきてゐるのか
  なんにもみえない
  オレの日本はなくなった
  オレの日本がみえない

竹内浩三全作品集についてはこちら(これが一番手に入りやすいです)
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