雪でぞっくり寒かったです。
<きものが欲しい! 群ようこ>
ふふふ。
実はこういう着道楽で(つかなんでもいいの、道楽は)身上潰しそうになるくらいつぎ込むって話は大好きでやんす。
着物に入れ込む人ってほんとに入れ込むから面白いです。これはタイトルから察するような「もう欲しくて欲しくて買い捲ったわよー」ってな
内容に有らず。
そういうのよりも、もっと日常で着物を楽しむ為の小さな工夫やコツを書き綴った本。
着物なんて滅多なことでは着ない私にはよくわからない事も多々ありましたがそんなに気張って着るものではないんだよねー、着物。
晴れの日の気負って着るものにしたのはどこのどいつだ・・??
私は着物は自分で買いました。
自分で見に行って自分で買ったので親が仰天していたのですが(どんなもん買ったんだと思ったらしいです)とてもちゃんとしたもので胸をなでおろしておりました。
尤もこれには裏があります。
買った呉服屋の店員さんを好きになっちゃった友達が居てですね、つきあいでよくぶらぶら覗きにお店に行ってたのです。
それで店員さんともすっかり仲良くなって、それから買ったので多分すごくいい買い方したのかもしれません。
就職して1,2年の頃に買ったので、向こうもお金ないの分ってるし、その中で最大限いいもの作ってあげようって気持ちでやってくれたと思います。見立ても、何日にえらい先生が来るからその時いらっしゃい、見てくれるように話しといてあげるからってそんな感じで。
お店が暇な時は色々きせかえごっこみたいな事もさせて貰ってましたねえ。
あの頃はよくわかんなかったけど、着物について書いた本をいくつか読むと若い人が見に来るのは呉服屋さんにはすごく喜ばれるってどれにも書いてあるんで(当時は若かったさー)あ、じゃあよかったのかしら?って思ったですけど。
でも着ないのよねー、着物(笑)

<見知らぬ町 ふしぎな村 安房直子>
安房直子コレクション2
イラストがステキだった。北見葉胡さん
安房さんお得意のどこかしらない町に行ってしまう話の数々。
「海の館のひらめ」って話が子供の頃に読んで好きで、それが収録されていました。
再読したけどやっぱりいい。そして巻末に安房さんのエッセイがですねえ、この全集に限って掲載されていて、それを読むのも楽しみです。
この巻では、偶然海の館のひらめについて書かれておられて、エッセイはエッセイなんですが、創作の秘訣を綴っておられて興味深く読みました。
ひらめの話を書くのに、フランス料理についての厚い本を資料として読んだ、という下りがあって、ああやっぱりこういう下地は必要なんだなと思いました。自分の半端な知識で書くとどんなもんでもぺラくなるんですよね。
”一番はじめに思い浮かんだかんじ(作品全体の漠然とした匂い、雰囲気のようなもの)だけは、最後までちゃんと貫かないと成功しない”という箇所もよく覚えておこうと思いました。
海のひらめの話は、正直で働きものだけど世渡り下手な見習シェフを、海のひらめっていう不思議な力を持ったひらめが色々手助けをしてあげるという最後はハッピーエンドのお話。
他に、魔法をかけられた舌、って話も同時収録になってて、やっぱりレストランが出てくる、一流シェフだった父親が亡くなり店を引き継いだものの自分には料理の才能はなく途方にくれる主人公、から始まる話で私はこちらも好きです。異界に迷い込んだつもりの先が自分ちの地下室だったというオチは何度読んでも好きです。

コメント