ま、ま、まんぞくぅー。突発的に食べたくなるものってあるじゃないですか?それを食べたいと切実に思った時に食べれた時のような満足感。
牛のように反芻しながら読みましたよっ。
名作なのでご存知の方も多いと思いますけど、ざっと筋を書くと、善太と三平(小5と小1)の兄弟の話です。平穏に暮らしてたんですけど、ある日お父さんが文書偽造の疑いで警察にひっぱって行かれてその間の生活を子供の動きばっかりで書いているんですね。
お父さんが居なくなってしまった不安とか寂しさとか、兄弟二人きりの時にそれでも出す空元気や心細さとかがたくさん詰まっています。今読んでも大人が読んでも充分面白い。
最初にこの本を読んだ時は小さすぎて、お父さんがなんで捕まったのかとか、文書偽造とか全然わかんなくって、うーんなんかわかんないけどお父さん戻ってきたしまあよかったと思っていたんですよね。これが分かるようになったのは結構年月が経過してからでした。
そんで後書きや解説フェチの私なので更に書くと、善太と三平のお父さんは製織工場の取締役をしていたのですけど、突然株主総会でその地位を追われるのですね。そしてほぼおんなじような事を坪田譲治も体験したようです(生家が製織工業を経営)
もう大人になっちゃったから、物語の中の善太と三平からは遠い視点で読んじゃうかもしれないなあって思ったんですけど、子供や学生の頃読んだ時とあんまり距離が変わらず読めたのも、嬉しかった。

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