老いの道づれ―二人で歩いた五十年/沢村 貞子
2005年10月11日 読書
こういう書き方は嫌なんだけど仕方が無いから書くと、読んだら泣く。
女優の故・沢村貞子さんが旦那さんが亡くなられた後に、二人の暮らしを二人で書いてみようかという生前した約束を一人でまとめたもの、でやんす。
ざっとどういう50年だったかを書くと出合った頃(沢村さん38歳)はお互いが所帯持ち。その後沢村さんが離婚、相手の大橋氏の離婚が成立するのが22年後。その間大橋氏の仕事がかなーりすったもんだし(なんかねー人がいいのか、いやいいんだろう、でも新聞記者なんかやってた割には人を見る目が…というかうーん、やっぱり甘いというかやさしいんだろうなービジネスには不向きな程に)、前妻との間の子の問題やらでご苦労絶えぬ50年、という感じ。
沢村さんの随筆は何冊か読んでいたんだけど、落ち着いて言葉少なな、控えめな文章からはこういう人生は想像だに出来なかった。
本人が選んでそういう人生を送ってるのだから何も言う事はないんだけれど、烈しい恋をしましただとか、苦労多き人生でしたとかそういうありきたりな安っぽい表現はまるっきり不適格なんだな。いや事実はそうなんだと思う、実際起こったこととしてはそうなんだけど、そんなものとは違う次元で一緒に50年歩いて来ました、っていう感じなのだ。
あーなんか上手くいえない。全部を10とすればそれを1位しか表していないし、きっとこんな陳腐な表現じゃないんだと思うんだけどこの貧困なボキャブラリーの手持ちの中で最も近いのは(それでも言い得てる部分というか表面を覆ってる薄い膜くらいとしては当ってるはずだ)愛は無償だ、ってこってす。
ああやだ、この使い古された陳腐な言葉。だけど沢村さんって大橋氏が居れば他にはなんにも要らなかったんだよ、終生持ち続けたたったひとつのもの(人だけどさ)がそれなんだ。
他には多分何も持っていない、潔い人生とはこういうのをいうのだ。
つべこべ言わずに読みやがれと言いたい一冊。
女優の故・沢村貞子さんが旦那さんが亡くなられた後に、二人の暮らしを二人で書いてみようかという生前した約束を一人でまとめたもの、でやんす。
ざっとどういう50年だったかを書くと出合った頃(沢村さん38歳)はお互いが所帯持ち。その後沢村さんが離婚、相手の大橋氏の離婚が成立するのが22年後。その間大橋氏の仕事がかなーりすったもんだし(なんかねー人がいいのか、いやいいんだろう、でも新聞記者なんかやってた割には人を見る目が…というかうーん、やっぱり甘いというかやさしいんだろうなービジネスには不向きな程に)、前妻との間の子の問題やらでご苦労絶えぬ50年、という感じ。
沢村さんの随筆は何冊か読んでいたんだけど、落ち着いて言葉少なな、控えめな文章からはこういう人生は想像だに出来なかった。
本人が選んでそういう人生を送ってるのだから何も言う事はないんだけれど、烈しい恋をしましただとか、苦労多き人生でしたとかそういうありきたりな安っぽい表現はまるっきり不適格なんだな。いや事実はそうなんだと思う、実際起こったこととしてはそうなんだけど、そんなものとは違う次元で一緒に50年歩いて来ました、っていう感じなのだ。
あーなんか上手くいえない。全部を10とすればそれを1位しか表していないし、きっとこんな陳腐な表現じゃないんだと思うんだけどこの貧困なボキャブラリーの手持ちの中で最も近いのは(それでも言い得てる部分というか表面を覆ってる薄い膜くらいとしては当ってるはずだ)愛は無償だ、ってこってす。
ああやだ、この使い古された陳腐な言葉。だけど沢村さんって大橋氏が居れば他にはなんにも要らなかったんだよ、終生持ち続けたたったひとつのもの(人だけどさ)がそれなんだ。
他には多分何も持っていない、潔い人生とはこういうのをいうのだ。
つべこべ言わずに読みやがれと言いたい一冊。
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