前に「疾走」を読んだのでそれに続く私にとって2冊目の重松清なのですが、どーなんだろ、こっちの感じの方が平素なのかな。疾走はちょっと特異な感じで書かれていたんですけど、巧いことには変わりは無いですね。
この本は短編集なのですけど、読んですぐ気がつくのはとに角巧い。平易で明解な文章でさらっと読み始まらせてたちどころに引き込む。読後には話の芯だけが残っていると、そういう感じ。
どれを読んでもハズレが無いです。後藤を待ちながらってタイトルの一編があるんですけど、これってゴドーを待ちながらを多分もじってるんだよね、内容もちょっとそれっぽいし。

ところで前日まで私は悪魔と呼ばれたコレクターっていうバーンズコレクションをつくった美術コレクターの話を読んでいたのですが、これがまあ、つまんないったらないの。
バーンズというコレクターもかなり性格難ありだったには違いないらしいんだけど、書き手が嫌ってんのか、訳者がへぼいのかそれとも三位一体でこうなっちゃったのか…。書き手も訳者も経歴読んだらそれなりの人っぽいんだけどなんでかねぇ?
読みつづける努力も限界だったので途中で放棄しました。

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