ゲド戦記

2006年7月20日
…ぼーぜん。1回ある程度まで書いたのに書き込む前に消えやがった、泣きたい。

ゲド戦記ってのは5冊が本編、残り1冊が外伝の全6冊構成になってます。アースシーという竜が生き、太古の言葉が魔力を持つ世界が舞台の、幼少の頃より魔法使いの資質があったゲドの少年期から壮年期までを綴ったものです。ですが実質ゲドが純粋に主人公の話は第1巻のみで、2巻は平和の象徴の腕輪をゲドが神殿に探しに行くのですがそこで巫女をしているテナーがほぼ核の話。3巻は魔法が力を失って行く謎を解き明かしにエンラッドのアレン(王子なのだ)と共に旅する話で、4巻以降はゲドは物語には脇から参加するようになります。個々の主人公の話というよりは、アースシーという世界の物語へと移っていきます。
おぉ、なかなか壮大なファンタジーではと思うかもしれないですけど、単なるファンタジーではなくて(あけびさんが書いてた通り)ほんとに人生の哲学書になっています。
魔法を使うという行為一つ取ってみても、それには単に呪文を唱えるだけではなく、世界の真の名を知らねばならないこと、物事の真理を知らねばならないこと、真理を知るとはどういうことなのかに迄及び、力あるものがなさねばならないこと、なすということはどういうことか、なすこととは何なのかなどと深く掘り下げられていてですね、ほんっとこの本をどうして子供の頃に読んでおかなかったんだろうと思いました。
書かれていることがよく理解出来ないうちにまずは読んでおきたかったです、単純に魔法使いが活躍するファンタジーだとしか理解出来ないうちに。半端にモノが分かる大人になってから読むとなまじある程理解できるだけにしんどいですな。とに角読むのはすごく力が要りますので、ゆっくりゆっくりどうぞ。ちなみにここだけの話、私は4巻がイマイチ理解出来ていません…とほほ。
そして、5巻(アースシーの風)と6巻(外伝)を順序逆で読むことをお薦めしたいです。なぜなら米国での出版順は外伝、アースシーの風の順序で、日本では翻訳の順に並んでいますが逆に読んだ方がより分かりやすいと思います。尤も順序を逆に訳してるくらいなのでそのまま読んでも差し支えは無いです。
だけどこれを読むとオジオンがなぜああいう風に亡くなったのかが分かると思います、彼が黙することも。それに外伝の話が6冊の中で最も人間くさい話になってる感じがします。
あ、そういえば沢山の登場人物が出てくるゲド戦記ですが、オジオンが私は1番好きですよ(オギオンというのが正しいらしいですね。誤訳のまま日本ではきちゃったみたいですが)

コメント