暮れも近くなってくると気持ちに余裕がなくなってきますよね。
最近そういう時には、絵のついた本をめくることにしています。短い時間で一冊読めて、いい気分転換になります。しばらくはそういう本を紹介してみようと思います。

絵本ってまず絵に目が行くと思いますが、この本はイラストが村上勉さんだったので手に取ったのでした。小さな子供の頃から村上さんの挿絵の本に親しんできたのですが、それは大人になっても変わらないようです。
虹の谷ストアは、山村に一軒だけあるお店です。ファックスで注文を受けた品を配達してくれるサービスがあるのですが、ある日、妙な注文のファックスが入ります。お得意さまの茶店のおばあちゃんからの送信なのですが、首をかしげながら配達に行くと、注文したのは、しっぽのはえた男の子だったという話。
この本はサイズが大きくてですね、村上さんの色彩を押さえたイラストが全面に広がって、そして、文字とのバランスが大変いいです。イラストの中に文字を置いてこれだけ違和感がない本というのもなかなかないと思います。
絵の中で字を読むような感じで、物語の世界にあっという間に引き込まれる一冊。

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