向田邦子さんの本を最初に読んだのは中学生だったか高校生だったか、とに角学生の頃でした。読む時期、というものがある本があると思うんですよね、向田さんの小説はそれに当ります。
学生の私には向田邦子の小説を読んで分るだけの人の経験値が不足していたので、一冊読んだきり、長いこと手に取る事はありませんでした。
(なので一度読んでつまんねーなあと思った学生諸氏は忘れないで大人になってからまた読んでみて欲しいですよ。その時にはきっと分ると思います)

この本は妹にあたる和子さんがたくさんの写真と共に姉に関するあれこれを綴っているのですが、向田さんが亡くなって、長い時間が経って、気持ちの澱もなんも無くなってうっすらと底辺に広がる悲さだけが残ったような、上澄みのように静かな文章です。お人柄なのだと思いますが、差し出がましいところがまるで無くて、濃くも薄くもない語りです。「お姉さん」であった向田さんを知りたい方は是非ご一読を。
よい一冊だと思います。

コメント

うめぼし@塩分控えめ
うめぼし@塩分控えめ
2007年11月15日21:44

最近来ないねぇ。
でもまあ、なんとなく書く気が起こらなくて、そのままなんとなく日々が過ぎてくってのもあるよね。

こもも
こもも
2007年12月2日22:33

なんておっそいレスなんでしょうか…m(_ _)m
この頃家に帰るとバタンキューな生活だったので自分のブログすら見ていないという有様でしたー。
うめぼしさんは読んでますね。ちょっと前に乱歩を立て続けに読んでいやーおもしれーなーなんて思っていたんですが…。
またうめぼしさんちにも寄らせてもらいますね。
乱歩のは結構面白かったのでレビュー書こう。